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以前、ジャムが宝物を隠し持っているのに気が付かず、酔っ払って帰宅しまい、ジャムを乱暴に扱って咬まれ、七針ぬう羽目になったことを書きました。実は、又やってしまったのです。去年の六月ごろ、一緒にベッドの上で寝ていて、私が寝返りを打ってジャムを下敷きにしてしまいそうになった折、ジャムは本能的に行動し、私の上くちびるを噛みました。その三十秒後には、スヤスヤと寝息を立てていましたが、こちらは血が止まらず大騒ぎ、翌日、妻に連れられて形成外科に行きました。今度は八針、前の七針と合わせて十五針ぬった計算です。家にいる限り、ジャムと私はいつもべったりですから、まあ、あと十針ぐらいは覚悟しておいた方がいいのかなと思っています。
形成外科の先生が、ぬいながら私に言うのです。「犬の種類は何ですか。」「ポメラニアンのオスです。」「ポメラニアンにしては、傷が深いですねえ。」そんなやりとりの中に、私はジャムの咬む力の強さは、並のポメラニアンではないのだと、妙に嬉しくなったのですから、溺愛も溺愛、かなりの重症ですね。
ジャムも私も肥満体ですから散歩が極めて重要です。実は一年近く、全く連れ出していませんでしたが、昨年の暮れから散歩を再開しました。ところが、しばしばストライキを起こし、すわりこみ、全く歩こうとしなくなります。どんなに引っ張ってもダメ、人に見られていると情けないやら、はずかしいやら・・・。
ジャムは家から50メートル程はなれた畑が大好きで、畑に遊びに行きたがります。したがって畑から遠ざかる方向に連れていこうとするとストライキを起こすのです。私の家の裏口から左折すると畑なので、裏口から出て右方向にジャムを歩かせるのは、ほとんど不可能ですし、畑から家までは走って帰りますが、畑から逆に駒込駅方面に行こうとするとストライキです。
仕方がないので最近採用した戦略は、秘書に運転させ、私とジャムを巣鴨駅で降ろしてもらう作戦。あとは家に帰る方向だけですから、ストライキは、ほとんどありません。ただし、なぜかスーパーのサミットに入りたがって困ります。何か買いたいのでしょうか。
(この原稿は文京動物愛護協会平成12年3月10日「動物と住む街」に寄稿したものです)