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前総務大臣・元法務大臣 鳩山邦夫 -正義の実現-

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「ジャムと私」
愛犬ジャムへの想いを書き綴ったエッセー
 
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第14回「14歳のジャム」
 
 

 私はジャムを躾たことがないし、躾ようと思ったこともない。もちろん訓練経験も皆無である。たとえようのない愛らしさ、豊かな表情、徹底したわがままさというジャムの三大特徴は、自由放任と過度の甘やかしに、ジャムの天性の明るさが加わって形成されたものといえる。

 わが家にも一応、「犬の飼い方」の本があり、何気なく最初の頁を開いてみると、「とにかく呼んだら飛んでくるように育てなさい。“呼びのきかない犬”にしてはいけません」と書いてあった。ジャムは全く“呼びのきかない犬”であり、名前を連呼すると、耳を動かしたり、尾を振ったりはするが、立ち上がってやってくることは百回に一度もない。どうしても来させたいときは、わが家のもう一頭のポメラニアンであるフォックスの名を呼んでやるといい。そうすれば、「ふざけるな。オレがいるのに何でフォックスを呼ぶのだ」といった風情で、のっそのっそとやってきて、フォックスをつき飛ばすのだ。

 ジャムは“呼びがきかぬ犬”だが、逆にやたらと私や家人を呼びつけるのである。その意味は、ほとんど場合「抱っこして連れていけ」である。ジャムが玄関にいて、私が台所で料理したりすると、すぐに私にお呼びがかかる。しかたなくジャムを迎えにいって台所まで連れてくる。こうしたことが、一日に十回以上あるようだ。場合によっては三メートルほどの移動にも、人間タクシーを呼ぼうとする。とにかく「迎えに来い」「抱っこせよ」の連続である。年をとり十四才になり、動きが鈍くなりつつある現在、ジャムのお呼びの回数は増えるばかりだ。

 “呼びのきかない犬”であり“やたらと人を呼びつける犬”―それがジャムであり、ジャムにとっては「呼びのきく人間」が何人もいる状態になっている。

(この原稿は文京動物愛護協会平成17年4月1日「動物と住む街」に寄稿したものです)

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