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前総務大臣・元法務大臣 鳩山邦夫 -正義の実現-

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「ジャムと私」
愛犬ジャムへの想いを書き綴ったエッセー
 
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第10回「読書家になったジャム」
 
 

 ネコは一日に十九時間寝ているといいますが、ジャムもそれに負けないぐらい、よく寝ています。私が家にいても、よく寝るのですから、私の外出している昼間は、全く動かないのかもしれません。

 完全なる“自由保育”で育て、しつけゼロできましたので、名前を呼んでも、やってくるかどうかは、ジャムの機嫌次第なのです。すやすや寝ているところを抱き上げようとした場合、まるで死体のように全身の力が抜けているのは機嫌のいいときで、そんなときは、すべては私のなすがまま。しかし、触ったとたんにガブッときて、指先から血が出ることも十日に一度はあります。妻は「ジャムを抱き上げるのは命がけ」と言っているくらいです。

 私が留守だと、とにかく、いい子でおとなしいのです。要するに元気がないらしいのだと思いますが、何をしても吠えられたり、かまれたりすることがないようです。しかし、そんな“優等生のジャム”を私自身は見ることができません。

 妻や長男に言わせると「お父さんが帰ってくると、ジャムは急に威張り出す。後楯がいると威圧的になるのだから、まるでヤクザだ」ということになります。私とジャムが一緒にいるときに、私に近付いてきたり、話しかけてくるのは危険で、吠えかかり、かみつくこともあります。私を守っているのか、それとも私を独占しようとしているのか、どちらかなのでしょう。

 ジャムは起きているときは、必ず何かをしようとします。そして、そのほとんどはイタズラで、人の関心を引こうとして、実に様々なイタズラをするのです。最近ジャムが熱心なのは本をかじることで、私の愛読書のほとんどは、すでに表紙が破られてしまいました。「ついにジャムは読書家になった」と私が言うものですから、家人は「親バカにも程がある」と批判してきます。

 昨秋、知人に誘われて長野県の上田へキノコ狩りに出掛け、帰ってきて台所で「このキノコ大丈夫かな」と調理していましたら、ジャムが、どこからか「食べられる山野草、キノコ」という本をくわえてきて、かじっていました。本当に人の気持ちがわかる犬なのです。

(この原稿は文京動物愛護協会平成13年3月10日「動物と住む街」に寄稿したものです)

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